
どく社は12月17日(水)に、学校に行かない子どもたちとその保護者を中心に全国で居場所づくりを広げるトーキョーコーヒー代表・吉田田タカシさんの初著書『「いきたくない」もわるくない? トーキョーコーヒーからはじめる、大人もたのしむ共育のデザイン』を刊行する。
東京でもコーヒーでもない「トーキョーコーヒー」

トーキョーコーヒーは、「登校拒否」のアナグラム(言葉遊び)。東京でも、カフェでもなく、学校に行かない子どもたちの声にならない声をきっかけに生まれた、大人がたのしみながら学び合い、教育・社会に変革を起こすムーブメントだ。

不登校の社会問題化を背景に、2022年の誕生からわずか3年で全国415拠点、参加者2万5000人とその輪が年々広がり、多くの大人と子どもの居場所となってきた。

トーキョーコーヒーが広がる理由は、「“生きづらさ”を生み出す学校や社会の構造にある」と吉田田タカシさん。「不登校は子どもたちの問題ではなく、すべての大人の課題」ととらえ、ケアと学び、改革に向けたアクションを市民運動として広げていくことの重要性を訴える。
初著書のテーマは「教育再生」

吉田田さんは、こども食堂を革新し、子どもの尊厳を守りながら、大人の寄付を通じて「地域で子育て」ができる仕組みをデザインした「まほうのだがしやチロル堂」でグッドデザイン賞の大賞を受賞している。
また、創造力を育むアートスクール「アトリエe.f.t.」を27年運営、ロックバンド「DOBERMAN」ボーカルとしてフジロックにも出演するなど、多彩な顔をもつ。

そんな反骨精神溢れるアイデアマンの吉田田さんが、同書で満を辞して挑むテーマが「教育再生」。初著書『「いきたくない」もわるくない? トーキョーコーヒーからはじめる、大人もたのしむ共育のデザイン』は、公教育の変わり目に気づきはじめたすべての人へ贈る1冊となっている。
たのしい実況副音声付き!声が聞こえてくる本

声が聞こえてくる本(p.3より)
『「いきたくない」もわるくない? トーキョーコーヒーからはじめる、大人もたのしむ共育のデザイン』は、吉田田さんがトーキョーコーヒーに込めた思いや広がる背景について、笑いあり、涙ありで語る、大人気のトークライブ(講演会)を「声が聞こえてくる本」として書籍化。
吉田田さんが代表を務める「アトリエe.f.t.」スタッフも協力しており、

紙面下部の実況副音声(p.16〜17より)
紙面下部にゲーム動画のような解説&脱線(!?)のたのしい実況副音声が付いている。

p.8〜9より

p.10〜11より
活動紹介にとどまらない、多彩なコンテンツ

撮影:山月智浩氏 編緝:どく社編緝室(p.62〜63より)
トーキョーコーヒー発祥の地「MITERI(ミテリ)」を紹介する写真特集では、どんな場をデザインしているのか、外側からの目線で紹介する。

不登校あるある(p.68〜69より)
「ダダさん、我が家を見てたんですか?」と、トークライブでも共感を呼ぶ「不登校あるある」は一コマ漫画で紹介。一人で抱えこみがちな悩みが、実は社会の問題であることに気づかされるはずだ。

トーキョーコーヒー参加者を対象に行ったアンケート調査(p.188〜189より)
さらに、刊行にあわせて参加者アンケートを行い、トーキョーコーヒーの活動や不登校の実態をデータで紹介するページも作成。子どもたちや保護者のリアルな声を伝えている。
著者からのメッセージ

著者の吉田田さんは刊行にあたり、「(前略)不登校の子どもをもつ親に読んでいただきたいのはもちろんですが、これはいわゆる『不登校本』ではありません。すべての大人が、一度しかない人生を思いっきりたのしんで、ワクワクする社会を子どもに手渡していくための考え方や実行のヒントが、散りばめられている本なのです!!なによりも……まずは、全国の悩めるお母ちゃんたちに届きますように。個性的な子どもがそのままイキイキと育ちますように!(後略)」とのメッセージを寄せている。

『「いきたくない」もわるくない? トーキョーコーヒーからはじめる、大人もたのしむ共育のデザイン』は2200円(税込)。書店やオンラインで購入できる。
生きづらさを共に生きる力に変え、たのしくかつラディカルに問題提起を行う一冊をチェックしてみては。
本の紹介ページ:https://kaiin.hanmoto.com/bd/isbn/978-4-910534-10-7
(オガワユウコ)